2026/10/07
「ボールを投げると肩が痛い」
「投球後に肩の前や後ろが痛くなる」
「以前よりボールが投げにくい」
「肩を休ませると楽になるけれど、投げ始めるとまた痛くなる」
野球をしている方に、このような症状がみられることがあります。
一般的に、投球動作を繰り返すことで生じる肩の障害を総称して「野球肩」と呼ぶことがあります。
ただし、「野球肩」という一つの病気があるわけではありません。
肩関節周囲の筋肉や腱、関節唇、骨などさまざまな組織が関係する可能性があり、年齢や投球フォーム、練習量によっても状態は異なります。
今回は、豊川市のふうりん接骨院が野球肩の原因や症状、投球動作との関係、スポーツ復帰までの考え方について解説します。
野球肩とは、主にボールを投げる動作の繰り返しによって生じる肩周辺のスポーツ障害の総称です。
ピッチャーに多いイメージがありますが、投手だけに起こるわけではありません。
キャッチャー、内野手、外野手など、ボールを投げる機会が多い選手であれば起こる可能性があります。
また、
など、腕を頭より高い位置で繰り返し使うスポーツでも似た肩のトラブルが起こることがあります。
野球肩では、人によって痛む場所やタイミングが異なります。
例えば、
などがあります。
最初は「少し違和感があるだけ」というケースもあります。
その状態で投球を続けているうちに、徐々に痛みが強くなることもあるため注意が必要です。
投球動作は、単純に「肩を回している」だけではありません。
実際には、
脚 → 股関節 → 骨盤 → 体幹 → 肩甲骨 → 肩 → 肘 → 手首 → 指
というように、全身の動きを連動させてボールへ力を伝えています。
例えばピッチャーの場合、脚を上げた後に踏み込み、骨盤・体幹を回転させ、その力を肩から腕へ伝えてボールを投げます。
この連動がうまくいけば、下半身や体幹で作った力を効率よくボールへ伝えることができます。
一方で、下半身や体幹を十分に使えないと、肩や肘に頼った投球になりやすくなります。
つまり野球肩を考える場合、痛みのある肩だけを見るのではなく、投球動作全体を見ることが重要です。
投球動作はいくつかのフェーズに分けて考えることができます。
代表的には、
ワインドアップ
→ アーリーコッキング
→ レイトコッキング
→ アクセラレーション
→ ディセラレーション
→ フォロースルー
という流れです。
肩に加わる負担も、それぞれの段階で異なります。
ボールを投げる直前、腕が大きく後方へしなるような姿勢になります。
このとき肩関節は大きく外旋します。
肩関節周囲の柔軟性や肩甲骨の動きが不足していると、肩周辺への負担が大きくなる可能性があります。
「腕を後ろへ持っていった瞬間に肩が痛い」
という場合には、このフェーズを確認することがあります。
腕を高速で前方へ振り出すアクセラレーションでは、肩周囲の筋肉に大きな負荷が加わります。
下半身や体幹からの力が十分に伝わらない場合、肩や腕だけでボールを投げようとする動作になりやすくなります。
ボールを離した後も腕は高速で動いています。
その腕を減速させるために、肩の後方にある筋肉などが働きます。
この「減速する能力」も投球では重要です。
そのため、
「投げている瞬間より、投げ終わった後に肩が痛い」
というケースもあります。
野球肩という言葉には、いくつかの状態が含まれています。
例えば、
肩には「腱板」と呼ばれる筋肉・腱のグループがあります。
棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋などが肩関節の安定に関わっています。
投球を繰り返すことで負担が蓄積すると、腱板周囲に痛みが出ることがあります。
腕を上げたり投球したりするときに、肩周辺の組織へ負担が加わる状態があります。
「腕を上げる途中で痛い」
「投球時に肩の前側や外側が痛い」
といった症状がみられることがあります。
肩関節には関節唇という組織があります。
その上方部分を傷めるものをSLAP損傷と呼びます。
投球動作のように腕を大きく振るスポーツでは負担が加わることがあります。
深い場所の痛みや引っかかり感などがみられる場合があります。
力こぶを作る上腕二頭筋の腱の一部は肩関節周囲を通っています。
繰り返し投球することで負担が蓄積し、肩の前側に痛みを感じるケースがあります。
成長期の野球選手では、成人とは違った注意が必要です。
成長期には骨の成長に関わる部分がまだ成熟していません。
繰り返しの投球によって上腕骨近位部の成長軟骨へ負担が加わるものを、一般的に**リトルリーガーズショルダー(上腕骨近位骨端線障害)**と呼びます。
特に、
「投げると肩が痛い」
「最近急に球速が落ちた」
「肩の外側あたりを押すと痛い」
「休むと楽だけれど投げるとまた痛い」
といった場合には注意しましょう。
成長期の肩の痛みを「ただの筋肉痛」と自己判断して投げ続けないことが大切です。
もちろん投球数や練習量は重要です。
しかし、野球肩を考える際には、それ以外にも確認したいポイントがあります。
例えば、
などです。
特に投球フォームでは、肩だけでなく下半身から上半身へ力を伝えられているかが重要になります。
腕を上げるとき、肩関節だけが動いているわけではありません。
肩甲骨も一緒に動いています。
投球では肩甲骨が胸郭上を適切に動くことで、肩関節の大きな動きをサポートしています。
ところが、
肩甲骨周囲が硬い。
胸椎が動きにくい。
姿勢が崩れている。
肩甲骨周囲の筋肉をうまく使えない。
こうした状態があると、肩関節だけに負担が集中する可能性があります。
そのため野球肩では、肩甲骨の動きも確認したいポイントです。
投球するときには体幹を大きく回旋します。
その際に重要なのが胸椎の動きです。
胸椎が十分に回旋できないと、身体を回す動きを肩や腰などで補うことがあります。
特に「胸を張る」「身体をひねる」という動作が苦手な選手では、肩の動きと合わせて胸椎の状態も確認することがあります。
一見すると、
「肩が痛いのに、なぜ股関節を見るの?」
と思うかもしれません。
しかし、投球は全身運動です。
ピッチャーの場合、軸足で身体を支え、踏み込み脚へ体重を移動しながら骨盤を回転させます。
股関節がうまく使えないと、
下半身 → 骨盤 → 体幹 → 肩
という力の伝達がスムーズに行われにくくなります。
結果として上半身に頼った投球になる可能性があります。
そのため、肩に症状があっても股関節や下半身まで確認することが大切です。
投球時に肩の痛みがある場合、無理に投げ続けることはおすすめできません。
特に、
などの場合には、一度投球を中止して状態を確認しましょう。
必要に応じて整形外科などの医療機関を受診し、画像検査を含めて確認することも重要です。
休んで肩の痛みが落ち着くと、
「もう治ったから全力で投げよう」
と思ってしまうことがあります。
しかし、投球を休んだことで痛みが落ち着いても、痛みにつながった身体の使い方がそのままであれば、再び負担が集中する可能性があります。
スポーツ復帰では、
肩の状態
→ 可動域
→ 筋力
→ 肩甲骨
→ 体幹
→ 下半身
→ 軽い投球
→ 徐々に距離・強度を上げる
というように段階的に確認していくことが重要です。
豊川市のふうりん接骨院では、野球による肩のトラブルについて、痛みのある肩だけでなく身体全体の状態を確認します。
例えば、
などを必要に応じて確認します。
野球選手にとって大切なのは、単に肩の痛みが落ち着くことだけではありません。
再びボールを投げ、練習や試合へ戻っていくことまで考える必要があります。
そのため、競技レベルやポジション、練習量なども踏まえながら身体の使い方を確認していきます。
すべての肩のトラブルを防げるわけではありませんが、身体のコンディションを整えることは重要です。
特に、
などを意識しましょう。
特に成長期の選手では、「たくさん投げれば上手くなる」と投球量だけを増やすのではなく、身体の状態や疲労を確認しながら練習することが大切です。
野球肩は、投球動作を繰り返すことで起こる肩周辺のスポーツ障害の総称です。
腱板、関節唇、上腕二頭筋長頭腱などさまざまな組織が関係する可能性があり、成長期ではリトルリーガーズショルダーにも注意が必要です。
そして投球は、
脚 → 股関節 → 骨盤 → 体幹 → 肩甲骨 → 肩 → 肘 → 手首 → 指
という全身の連動によって行われます。
そのため、肩が痛いからといって肩だけを見るのではなく、肩甲骨・胸椎・体幹・股関節・下半身、そして実際の投球動作まで確認することが重要です。
豊川市で野球による肩の痛みや、投球時の違和感、スポーツ復帰に向けた身体の使い方でお悩みの方は、ふうりん接骨院までお気軽にご相談ください。
